＜グアム＞グアムでのエージェント・オレンジの被曝を認める法案が米国下院を通過
グアムやその他の地域におけるエージェント・オレンジの被曝を認め、有害除草剤の影響を受けた退役軍人の被曝補償を拡大する連邦法案が、米国下院を通過し、米国上院での審議・検討に向かっていると、グアム選出の下院議員が述べています。米下院議会グアム代表議員のマイケル・サン-ニコラス氏はプレスリリースで次のように述べています。
「H.R.3967、Honoring Our PACT Actは、賛成256、反対174で下院を通過しました。共和党の34名が民主党の222名と共に法案に賛成しました」
「同法は、グアムでのダイオキシン使用を認めるために戦い、化学物質への被曝影響により死亡した退役軍人にちなんで命名されたものです」
「グアムでのダイオキシン使用を認め、特定の時期にエージェント・オレンジを被曝した人々への適用を拡大する議会でのこの大きな第一歩は、グアム退役軍人支援の歴史における分岐点です」とサン-ニコラス議員はリリースで伝えています。
Honoring Our PACT Actは、以下の地域で従軍した退役軍人に対し、特定の除草剤への被曝に関連する疾病について、兵役との関連性を推定することを定めています。
1962年1月9日から1980年7月31日の間にグアム、アメリカ領サモア、またはその領海で兵役に就いた退役軍人。
1972年1月1日から1977年9月30日の間にジョンストン環礁またはジョンストン環礁に行った船舶。
「サービスコネクションの推定では、特定の退役軍人が診断された特定の病気は、その軍務の状況によって引き起こされたと推定されます。そして、医療給付金や障害補償金が支給されます」とサン-ニコラス代表議員はリリースで述べています。
連邦法案はまた、法案で指定された時期や場所での除草剤への曝露に関連した障害を持つ退役軍人に対して、病院での治療、医療サービス、介護施設の利用資格を拡大するものです。
エージェント・オレンジはレインボー除草剤の一種で、ベトナム戦争中に植生を除去するために開発された、いくつかの化学物質の一つです。エージェント・オレンジは、2, 4-D と 2, 4, 5-T を同量ずつ混合したもので、1980年代に米国環境保護庁が毒性の懸念から 2, 4, 5-T の使用をすべて停止するまで、どちらも一般的な除草剤でした。
2, 4, 5-Tを高温で製造すると、2, 3, 7, 8-TCDD、通称TCDDダイオキシンという非常に毒性の高い副産物が発生します。
エージェント・オレンジがグアムで使用されたかどうかについては、長い間議論が続いています。しかし、現在わかっていることは、その有害な成分がグアムで使用されたことです。
昨年、グアム議会は、「Honoring Our PACT Act」と上院の類似法案「Comprehensive and Overdue Support for Troops of War Act」を支持する決議案を全会一致で採択しています。
グアム議会のテレーズ・テラヘ議長は、下院のHonoring Our PACT Actの可決を称賛しました。
テレーズ議長は、グアム・デイリー・ポスト紙に、「私は、エージェント・オレンジへの被曝によって引き起こされた癌、糖尿病、その他の病気に苦しむ人々のために、推定とそれに対応する医療保険を確保するための証言に何年もかけて声を上げてきた全米の多くの退役軍人とグアム住民に感謝します」と述べました。
また、グアム環境保護局が、グアム大学ミクロネシア地域研究センターから、グアムで塩素系除草剤が使用された証拠を含む文書を発見し、島内のすべての旧軍用地で、これらの成分のサンプリングを要求する可能性があることを、最近知ったと述べました。
「国防総省は、退役軍人や住民の圧倒的な証言にもかかわらず、グアムにおけるエージェント・オレンジの存在を否定し続けています。私は、国防総省に対し、浄化作業を開始し、地元および米国環境保護庁の土壌サンプリング作業に協力するよう、引き続き要請します」と同議長は述べています。
グアムEPAは、グアムでのエージェント・オレンジの使用を調査していましたが、COVID-19の大流行により、その活動は停滞しています。
確定的なスケジュールはありませんが、地元機関は連邦政府関係者と連絡を取り合い、調査の次のステップを評価する予定です。
グアムEPAのニコラス・リー広報担当は、「調査の次のステップを評価し終えたら、地域社会に情報を提供する」と述べました。
