＜グアム＞グアムでの軍備増強は、人身売買に関連する安全保障上の意味をもたらす
コンドリーザ・ライス前国務長官は、毎年開催される人権会議で地元のリーダーたちを前に、人身売買を「現代の奴隷制度」と表現するほかないと述べ、次のように語りました。
「すべての国、すべての指導者、すべての市民が、現代の奴隷制度を終わらせるという考えに完全に傾倒することが本当に重要です」
2日間の会議では、法執行機関、政府、民間企業、被害者支援団体との魅力的な議論を通じて、グアムおよび太平洋地域における人身売買について掘り下げられました。
アリシア・リムティコ弁護士は、この地域で見られる人身売買の最も一般的な形態は労働と性的人身売買であると述べ、人身売買には移動と移住、文化的問題などいくつかの要因があるが、安全保障上の意味もあると付け加えました。
会議では、安全保障上の利益と人身売買が結びついた例として、リムティアコ弁護士が次のように述べました。
「1980年代、フィリピンのスービック湾海軍基地は、当時アメリカ国外では最大の米軍基地で、基地周辺の売春宿から推定5億ドルの収益を得ていたと言われています」
同基地は1990年代に閉鎖されましたが、商業的な性産業は今日も続いています。
2012年、コリア・タイムズ紙は、1945年以降、米軍によって100万人以上の韓国人女性が売春に利用されてきたと報じました。
このような性的搾取を支援する事例はグアムでも見られるとリムティコ氏は言います。
「グアム海軍艦隊と家族サービス部隊もまた、潜水艦や海軍の船が入港する際に、性的暴行や人身売買の可能性のある違反行為が劇的に増えるのを観測しています」とリムティコ氏は述べています。
これを受けて、より厳しい違反条項が出され、軍人は必要な人身売買の訓練を受けたと彼女は言います。
「2009年には、グアム、日本、沖縄、韓国、フィリピン、オーストラリア、パラオ、マーシャル諸島、北マリアナ諸島、プエルトリコ、米国の反軍国主義女性国際ネットワークが、人身売買や売春、軍事化や増強に関する会合や公開フォーラムを開催しました」とリムティコ氏は述べています。
グアムでは、沖縄からグアムへの米海兵隊の移転が予想されますが、これには政治的な反対意見もあるようです。
「現在も反対運動は続いています。また、この再編に伴う犯罪、社会的健康、その他の人権に関する言及や議論も行われています」とリムティアコ氏は述べています。
リムティアコ氏は、このデータは懸念を呼び起こし、潜在的な問題に先手を打つ必要性を示唆していると述べました。
「私たちが調査を行い、他の管轄区域や他の国を見ると、治安部隊や軍人、平和維持活動要員の数が増えるほど、人身売買、特に性的人身売買が増加するという相関関係があることがわかります。私たちはこのデータを作成しているわけではありませんし、調査をしているわけでもありません。他の国や場所でどのような傾向が見られるかを考慮しないのは好ましくありません。私たちは、特に予防の取り組みにおいて、何らかの悪影響を最小限に抑えることができるように準備したいのです」とリムティコ氏は語りました。
国連薬物犯罪事務所2020グローバル・レポートによると、東アジア・太平洋地域の被害者のプロフィールでは、2018年の検出被害者のうち女性が48％と最大の割合を占め、子どもは3分の1でした。一方、被害者の5人に1人は成人男性です。
少なくとも東アジア諸国では、女性や少女がより頻繁に犠牲になっていることが報告されています。太平洋の国々で寄せられた情報では、ソロモン諸島では少女の人身売買の被害者が多く、ニュージーランドでは男性が、オーストラリアでは男性、女性、少女が摘発されているとのことです。
グアムでは、当局が摘発し、終息させた人身売買のケースが3件あります。そのうちの1件は、バーのオーナーであるソンジャ・チャ被告とブルーハウス・ラウンジ、そしてグアム警察官2人が関与したものです。
2011年、バー経営者は、共謀、性売買、売春目的での海外渡航の強要と誘惑、売春目的での未成年者輸送の罪で有罪判決を受けました。この事件は、ミクロネシア連邦チューク出身の10人の被害者が、高収入の仕事を口実にグアムに渡航し、売春を強要されたものです。
チャ被告は拘留中に死亡し、警察官2名は現在も矯正局に拘留されています。
