<サイパン>大崎町はリサイクルと廃棄物収集で世界標準を達成
鹿児島県大崎町 – 日本南部に位置するこの古風な田舎町では、集団的な責任に基づき、大規模かつ効率的なリサイクルシステムが構築されており、他の地域よりもリサイクル活動が進んでいます。
かつては、予定よりかなり早く埋立地が満杯になり、リサイクルシステムもありませんでした。しかし、今では日本一、いや世界一のリサイクルの町となりました。
大崎町役場住民環境課課長補佐兼環境対策係長のタケハラ・シズト氏は、カリブ海や太平洋諸島から訪れた記者団を前に、町が既存の埋立地の延命化に強い意志を持っていることを明かしました。
自治体、住民、企業が何度も話し合い、ルールを作り、実行することで、大崎のリサイクルの仕組みが出来上がりました。
行政は、3カ月間で450回もの住民説明会を開催し、短期的・長期的な影響に重点を置いて、この問題に直接取り組みました。
そして、「焼却施設の新設」「埋立処分場の新設」「埋立処分場の延命化」という3つの戦略案を提示しました。
この会議で政府は、新しい焼却施設を建設すると、建設費、維持費、運営費など、地域全体のコストが高くつくことを住民に伝えました。
住民たちは、新たな埋立処分場の建設に反対したため、最終的に第3の戦略プランとして、既存の埋立処分場の延命が採用されたのです。
政府は、リサイクルシステムの構築、廃棄物収集の最終処分場の確保、廃棄物収集の日時・場所・収集経路の決定などを行いました。そして、分別対象物の決定、地域リーダーの任命・指導、環境学習会などを行いました。
現在も毎年、各地域のリーダーを対象にした研修が行われています。
住民の役割は最も重要です。なぜなら、システムは全体的に実施されて初めて効果を発揮するからです。
町では、住民や来訪者に「ゴミを混ぜればただのゴミ、分ければ貴重な資源になる」と教えています。
家庭や事務所などから出るゴミは、分別して出さなければなりません。
リサイクル品もきれいに洗ってから、世帯名を書いた指定の袋に入れなければなりません。
各家庭には、ゴミの正しい分別と出し方を説明したガイドがあります。
政府から委託されたゴミ収集会社がゴミを受け取り、生ゴミを手頃なコンポストに変え、リサイクル品を検査して、資源として処理し、全国に送ります。
この会社のスタッフや地域のリーダーは、各家庭でゴミやリサイクル品を適切に分別しているかどうかを見分けるための訓練を受けています。
きちんと分別されていない場合は、その世帯に直接連絡して対応するなど、軽減するための措置が取られます。
最近のごみ収集のデータでは、町のごみの大半は草や葉、木、箸などに由来し、最終的には堆肥として利用されています。
また、回収した食用油をバイオディーゼル燃料に変え、ゴミ収集車の動力源としています。
生ゴミはすべて回収され、町の有機堆肥化施設に送られ、回収された草や葉、木、箸と混ぜて堆肥にするのだそうです。
このコンポストは、地元の農家や一般家庭、企業などで、農作物の栽培や土壌として利用されます。
ゴミの分別とリサイクルにより、町の一人当たりのゴミ処理費用は全国平均の2/3になりました。
これにより、全国平均と比較して年間約9,000万円、60万ドルの節約となり、その資金を医療や教育など、他の産業に割り当てることができます。
大崎町のリサイクルシステムは、近隣の自治体からの資源ごみにも対応しており、雇用の創出など地域経済への貢献も期待できます。
また、同じような廃棄物問題を抱えるインドネシアなど、近隣諸国との取り組みも広がっています。
埋立地が50年以上延び、リサイクルシステムが拡大し続ける鹿児島県大崎町は、国連が掲げる「持続可能な開発目標」の達成に向け、世界をリードするパートナーになることができたのです。