＜サイパン＞NMI高等裁判所；タナパグの検認におけるジョン・サブラン・パンゲリナン氏の上告を棄却
CNMI最高裁判所は、ジョン・サブラン・パンゲリナン氏が検認の妨害を理由に支払いを命じられた損害賠償に関連して、同氏の上告を棄却しました。
2021年12月3日に出された判決で、アレクサンドロC.カストロ最高裁判事、ペリーB.イノス・ジュニア準判事、ロバートT.トレス・ジュニア臨時判事は、パンゲリナン氏が 「我々が明らかに管轄権を持たないにもかかわらず、最終的ではない命令を繰り返し上訴しようとしたため、手続きが滞ってしまった」とも述べています。
裁判官たちは、これ以上遅らせる必要はないとし、裁判で原告が受け取る損害賠償額が決まる前に、パンゲリナン氏が再び上訴する場合は制裁を受ける可能性があると付け加えました。
以前、パンゲリナン氏はCNMI上級裁判所に対し、自分に対する損害賠償請求の棄却を求めました。
彼は、原告が「2020年6月22日の申し立てを先延ばしにしていることは、彼らが精神的苦痛を受けていないことを示す証拠」であり、「いかなる賞にも値しない」と述べました。
言い換えれば、「7,614,492.65ドルの精神的苦痛の損害賠償請求をしている誰かが、すべての証拠を集めて、請求を電光石火のように結論に導くことができる」と同氏は付け加えました。
この裁判は、セクンディナ・パンゲリナン氏とセリーナ・パンゲリナン氏が、ジョンS.パンゲリナン氏を相手取って起こした訴訟に端を発します。彼らは、彼が債権者ではないにもかかわらず、検認問題に干渉して法制度を悪用し、彼らから金銭を搾取したと非難しました。
訴状によると、セクンディナ氏の夫であり、ジョンS.パンゲリナン氏のいとこであるノルベルト・パンゲリナン氏は、2015年8月に他界しました。ノルベルト氏はタナパグに3区画の土地を所有していました。生前、彼はこの土地をPeak Development LLCに55年間、総額320万ドルの賃料でリースする契約を結んでいました。
また、タナパグの土地の復帰権をペドロ・キリリマン（Pedro Kileleman）氏に売却する契約を締結しましたが、取引が完了する前にノルベルト氏はは亡くなりました。
セクンディナ・パンゲリナン氏は、賃貸と売却の取引を適切に完了させるために、ノルベルト氏の財産の検認を開始しました。検認中、ノルベルト氏のいとこであるジョン・パンゲリナン氏は、証拠や法的な裏付けなしに、タナパグの不動産に対するノルベルト氏の所有権に異議を唱えた、と原告は述べています。
2020年5月21日、高等裁判所のジョセフN.カマチョ准判事は、ジョン・パンゲリナン氏がノルベルト・パンゲリナン氏の遺産において手続きの乱用という不法行為を犯したと認定しました。
また、同裁判官は、ジョン・パンゲリナン氏が原告に対して、彼の妨害によって母娘が被った金銭的損失を支払う義務があると判断しました。
裁判官は、セクンディナ氏とセリーナ・パンゲリナン氏に対し、ジョン・パンゲリナン氏に対する損害賠償請求および／またはその他の救済措置を提出するよう命じました。
セクンディナ・パンゲリナン氏とセリーナ・パンゲリナン氏は、弁護士ジャネット・キング氏を通じて、損害賠償、訴訟費用、弁護士費用の請求を行いました。
彼らは、セクンディナ氏の亡くなった夫が所有していた320万ドルの遺産の検認を妨害したとして、ジョン・パンゲリナン氏に761万ドルの損害賠償を求めています。
キング氏はまた、ジョン・パンゲリナン氏が原告に対して、弁護士費用として90,281.92ドル、投資利息として256,446.85ドル、精神的苦痛として798,580.97ドル、懲罰的損害賠償として2,661,936.58ドルを支払う責任があるとする命令も出すよう裁判所に要請しました。
また、セクンディナ氏とセリーナ・パンゲリナン氏は、裁判所に対し、ジョン・パンゲリナン氏が不法な妨害行為を行ったとして380万ドルを支払う責任を負うことを求めています。
ジョン・パンゲリナン氏は、カマチョ判事の判決を不服として控訴しましたが、CNMI最高裁は控訴を棄却し、実質的な救済の申し立ても却下しました。
ジョン・パンゲリナン氏のもう一つの控訴審では、高等裁判所は、係争中の土地はセクンディナ・ウンタラン・パンゲリナン氏と娘のセリーナ・マリー・パンゲリナン氏に帰属するとの判決を下しました。
同様に裁判所は、ジョン・パンゲリナン氏にはタナパグの土地に関する請求権はなく、彼は被相続人の相続人ではないとするカマチョ判事の判決を支持しました。
