<グアム>ミサイル防衛技術は「ゴールデンタイムにはまだ早い」

運用試験評価局長は、2023年における国防総省の運用試験評価活動をまとめた最新の年次報告書を発表しました。この報告書では、グアムで提案されているミサイル防衛システムについても一部触れられていますが、グアムを拠点とするシンクタンク、Pacific Center for Island Securityのロバート・アンダーウッド会長によれば、この報告書はグアムで提案されている技術についてお世辞にも良いイメージを描いているわけではないとのことです。

「米国防総省が最近発表したこの技術報告書は、グアムのために語られている技術が、ゴールデンタイムを迎える準備が整っていないことを明らかにしています。強化された統合防空ミサイルシステム(EIAMDS)に対する軍の提案は、最新のDOT&E報告書の中で直接的な批判にさらされています。すでにここにある(終末高高度地域防衛システム)でさえ、グアムで軍が推進しているものよりもはるかに劣るものとして描かれている」とアンダーウッド氏はプレスリリースで述べています。

2023年DOT&E報告書によれば、米陸軍が主導機関として、ミサイル防衛局および米海軍とともに、グアムにおけるミサイル防衛システムのコンセプトを現在開発中であるとしています。そのコンセプトは、巡航ミサイル、弾道ミサイル、極超音速ミサイルの脅威から防衛するために、複数のアセット間の相互運用性と協調を伴うものです。

DOT&E報告書によると、提案されているアーキテクチャは、近接し、重複する領域で機能する新規および既存のコンポーネントで構成されているとのことです。

「このため、統合とテスト計画には大きな課題があります。DOT&Eは、現在のテスト戦略が適切であるためには、さらなる大幅な開発が必要であると評価しています」

DOT&Eはさらに、MDAが陸海軍と協調して、グアム防衛のための試験戦略に多要素の相互運用性と調整を迎撃飛行試験に確実に組み込むこと、また陸軍がMDAと同様のことを行うことなど、いくつかの勧告を行っています。

PCISのプレスリリースによると、2023年のDOT&E報告書はミサイル防衛が効果的な分野を特定しているが、「ほぼすべてのケースにおいて、システムは一般的に…少数の単純な脅威に対して効果的であると考えられる」と付け加えています。

THAADについて、DOT&E報告書は、防衛システムは様々なタイプの弾道ミサイル(短距離から中距離)を迎撃し、破壊する能力を実証しましたが、飛行試験とモデリングとシミュレーションは、より複雑な条件と現実的な襲撃シナリオに対処する必要があると述べています。報告書は、MDAが2023会計年度に計画していたTHAADの飛行試験を、陸海軍の輸送可能な監視制御モデル2レーダー(AN/TPY-2レーダー)の「運用状況」のために無期限に延期したことを指摘しています。

MDAは現在、2024会計年度に試験を計画していると報告書は述べ、MDAと陸軍はTHAAD訓練と部品の信頼性不足に引き続き対処していると付け加えました。

PCISのリリースによると、THAADに関するこの「批判」は、2023年6月のミサイル防衛に関する米国政府説明責任局の報告書の後に行われたもので、グアムでTHAADバッテリーを運用する部隊は、保守作業、予備保管、台風からの保護、水道付きのトイレのための施設が不十分であると述べており、陸軍当局者も腐食の緩和を主な懸念事項として挙げています。

「THAADバッテリーとMDAを運用する陸軍職員はこの(腐食の)問題を認識しているが、陸軍はグアムで、部隊の機器を蔓延する腐食から保護するための新しい施設を建設していない」とGAOの報告書は述べています。

PCISのリリースはまた、2023年のDOT&E報告書は、MDAによる試験の実施方法と現実的な迎撃飛行試験の必要性についての長年の懸念を繰り返していると述べています。

全体として、報告書はミサイル防衛システムやグアム向けのシステム案で「グアムを守るという軍の主張」を覆すものであるとPCISのリリースは述べ、グアムの民間人を守るための「努力はまだない」と付け加えました。

「高度な攻撃に直面した場合、ミサイル防衛システムがグアムやグアムの軍事施設さえも守れないことは、専門家でなくても理解できる。ミサイル防衛を担当する機関が、これらのシステムを実戦テストにさえ出していないことを指摘されるという事実は、”成功 “という主張に重大な疑念を抱かせる」とアンダーウッド氏はPCISのリリースで述べています。

「グアム防衛が攻撃された場合の目的であるならば、米軍は民間人を守る計画を立てる必要がある。日本、韓国、台湾政府はこの種の計画を立てているが、『グアム防衛』のための数十億ドルのうち、シェルター、避難計画、攻撃後のコミュニティ維持には一銭も向けられていない」

https://www.postguam.com/news/local/missile-defense-tech-is-not-ready-for-prime-time/article_129d6ad2-c3c3-11ee-ab7f-a78dbe0993a2.html

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