観光客はカジノに関心がない
CNMIの観光事業基本計画は面白い事実をもたらしました:観光客が種々の行き先からコモンウェルスの中で見たい、あるいは探検することを望んだアクティビティとオプションのトップ10リストにカジノは入りませんでした。
これはマネージメント・アナリシス社のアート・スミス社長と顧問のリン・ナイト氏が、100人以上の参加を見た昨日のフィエスタ・リゾート&スパ・ホテルでの、2012年-2016年の基本計画の公開プレゼンテーションにおいて発表したことでした。
この理由のために、このプロジェクトチームは、この基本計画の調査に応じた人たちから受け取った回答を基にカジノについての強い推薦を行わなかったとナイト氏は述べました。
調査が判断したことは、初めての、また再度の訪問者(観光客)が未だ自然を求めているということです、と彼女は明らかにしました。ナイト氏は、しかしながら、この結果によって、カジノ案がこの島にとって良いものである、あるいは悪いものであるということを意味していないことを指摘しました。
スミス氏によれば、5つの地域の間で彼らは出口調査で調査を行い、彼らがCNMIで見たい関心のあることの中にカジノはひとつもありませんでした。これは異なる関心にも関わらず日本、韓国、中国、ロシア、グアムと他のマーケットからの観光客の間で見られました。
スミス氏はこの調査結果を基に、島を訪れる日本人の79パーセントがより自然で風光明媚なアトラクションを見たいと思っており、35パーセントがマリーンと海のエキシビジョンを楽しみにしていることを発表しました。それは観光客の間で、日本人観光客がCNMIで高いレベルの満足と経験を示したこともわかりました。
データは日本人観光客が3.3泊の平均滞在数と再来島する観光客が40.5パーセントを記録したことを示しました。それらの滞在中、島での平均消費額は758.20ドルです。84パーセントがそのトロピカルな気候、海、ビーチのために島に来ること、同時に32パーセントが自然活動で、スキューバ・ダイビングのためが20パーセントであることを明らかにしました。
もし日本人観光客が彼らの訪問に十分に満足しているのであれば、韓国人は彼らが島で経験する価値と価格設定のために彼らのバケーションにあまり満足していません。
トップ10の彼らがここでもっと楽しみたいアクティビティは、ローカル・フード(38%)、オープン・マーケット/ナイト・マーケット(32%)です。調査によると、韓国人は島に最低4泊し、再来島は15.5パーセントです。彼らの島での消費額は568.73ドルと推定され、彼らの67パーセントがトロピカルな気候のために来ており、37パーセントが自然の活動に関心を持っています。スキューバ・ダイビングとハネムーン、ウェディングはそれぞれ10パーセントと12パーセントだけでした。韓国からゴルフをしに来る観光客はわずか3パーセントだけです。
一方、中国人観光客の82パーセントがその海とビーチで楽しむためにCNMIを訪れ、71パーセントが自然アクティビティで28パーセントがスキューバ・ダイビングです。中国人観光客の平均滞在日数は4泊で、再来島は4パーセントです。彼らの次の訪問で、中国人は海とマリーンの活動(43%)、自然と風光明媚なアトラクション(41%)、ナイトクラブ(39%)をより楽しむことを望んでいます。
ロシア人観光客にとって、来島の重要なパーセンテージが買い物(50%)、自然と風光明媚なアトラクション(47%)、そしてナイトクラブ(40%)です。
この調査は、グアムと米国本土からの来島者がCNMIのもっと多くのショッピング・センタでいることを示しました。
審議中のカジノ計画に関する影響はなし
この基本計画の調査の結果を聞いたにも関わらず、フェリシダッド・オグモロ下院副議長とラモン・バサ下院議員は、これがサイパンでカジノを推進する彼らの計画に何の影響も生じないであろうと述べました。
「カジノは新しい概念ではなく、それが世界中の成長産業であることは秘密ではありません。米国のように、より多くの観光客をもたらせると考えるため、更に多くのカジノが建てられています。だから、たとえそれが(調査における)関心(興味)の上位の中になくとも、観光客が再び訪れるときに実行すべき多数の素晴らしいアイデアのひとつであると言った観光客がいるという話もまだありました」とバサ氏は昨日の公開プレゼンテーションにおいてサイパントリビューンに語りました。
同氏は、下院で前回のカジノ法案が通過したにもかかわらず、住民投票議決権が11月の選挙で完了されていることを明らかにしました。
バサ氏はカジノ提唱者として、カジノのアイデアがCNMIの経済困窮に銀の銃弾(シルバー・ブレット)となるであろうとは言っていないが、経済を活性化させることができる多くの収入を生成するアプローチの1つであると述べました。
オグモロ氏は、彼女の見解として、調査結果がカジノ・イニシアチブを推進する彼らを止めることはできないと述べ、「事実、我々は署名運動を開始するために最終書類を完成している」としました。
このデータはたいへん興味深く価値のあるものだと思いますが、データを分析する側の資質、能力も考慮にいれて読む必要があると思います。
ラスベガスを代表とするカジノ産業の歴史を持つアメリカ人の経営分析会社とその顧問のリン・ナイトさん(元タン・グループでホテル協会の元会長)は、彼らが行ったプレゼンでサイパンに来ている観光客(主に日本、韓国、中国)はカジノに関心がない、と簡潔に言い切っていますが、果たして日本人の「カジノ」に対する認識、あるいは意識がどの程度なのかを前提にこのデータを分析する必要があります。
この出口調査がどのような方法で行われたかは知りませんが、「カジノ」に関心があるか尋ねられた観光客が実際に「カジノ」を理解して回答したかどうかは疑問です。元来、マリンスポーツや自然環境を楽しむために島を訪れている人たちへのこの質問は、たぶん彼らにとっては範疇外の項目ではないでしょうか。
私は特にカジノを推し進めたいわけではありませんが、観光開発計画におけるブレーンストーミングにはあらゆるアプローチがあって良いと思います。数十年前、サイパンでマッサージ、エステやスパが当たり前のオプションになることを誰が予想できたかを考えれば、カジノもネガティブなアイデアではないと思います。それよりも、こうしたデータを分析する側の背景にも、もう少し注目すべきではないかと思うだけです。